
僕の母は働いていましたから、僕の近くにいつもいてくれたのはお婆ちゃんでした。ですので僕が風邪を引いて寝込めばいつも世話をしてくれたのもお婆ちゃんでした。
僕は、何かというと扁桃腺を腫らす子供でしたので、ちょっとウイルスなどにかかるとすぐに喉を腫らして熱を出していました。

そんな時に、必ずと言っていいほどお婆ちゃんが長ネギを手拭いで軽く包んで、僕の首に巻いてくれたの子供ながらに今でも覚えています。
さて、ねぎには本当に喉の痛みを和らげる効果があるのでしょうか?
ネギは、東洋医学的にも「寒邪を払い、体を温める作用がある」とされています。
ネギ系の野菜(玉ねぎ、長ネギ、リーク、スカリオンなど)には、「流化アリル」という成分が含まれています。この成分が、あのネギの独特な鼻にツンと来る臭いや、玉ねぎを切ったときに涙が出る作用に関係しています。
この硫化アリルは、抗菌、殺菌作用が大変高く、抗炎症作用にも優れているのです。
また、ネギオールという成分にも、殺菌、解熱作用などがあり、風邪の時に効果を発揮してくれます。
ですので、ネギが昔から「薬味」として扱われ、いわゆる「毒消し」の役目を果たして来たことに納得が行きます。
ネギを首に巻くことでこれらの成分が皮膚から吸収され、喉の炎症を抑えるばかりか、首に巻いたネギが体温で温まることによって、この硫化アリルや、ネギオールといった成分が揮発し、鼻や口を通して直接炎症部分に効果を発揮するのです。
ネギを焼いてから巻く、というやり方もあるようですが、加熱によって硫化アリルなどの成分は破壊されてしまうので、化学的な見地からすると生の方が良いということが言えそうです。
もちろん、ネギは食べても効果があります。
僕の場合は、焼かずに長ネギの白い部分に切り口をいくつか入れて、手拭いに巻いてから首に巻きます。
お子さんにしてあげる場合には、可愛い柄の手拭いなどに包んであげて「ハローキティーちゃんマフラーが、OOちゃんを治してくれるよ〜」なんて魔法っぽく演出してあげると楽しくなるかもしれませんね。
ばあちゃん、さすが!
ということで、次回をお楽しみに。
ツッコミ栄養学
ちなみに硫化アリルが抗菌、殺菌などに効果が大きい理由は、それが、体が最も必要とする抗酸化物質であるグルタチオン(glutathione)を細胞が生産するのを増加させる働きがあることに大きく起因しているだろう。この、グルタチオンが、細胞中の毒素(主に電子授受の際の毒素)を結合し解毒する。結果としてこの作用が細胞を酸化ストレスから守り、抗炎症として働くからだとされている。
日本以外での長ネギ

日本以外の国で、日本にある長ネギを入手するのは、日本スーパーなどが近くにある場合を別として困難な場合が多いかと思います。玉ねぎをスライスして布に包んでも、機能的には同様だと思いますが、やはり臭いが鼻や目に染みてきついかと思われます。スカリオン/グリーンオニオンが入手できるようであれば、形状も小さな棒状で首には巻きやすいかもしれません。他の流化アリルを含む食物でも試してみてください。
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