「淋しさ」は1日に15本のタバコを吸うのと同じ

孤独と健康:本当の関係

現代医学にエンジェルとか、神性とといった概念などとかなり統合感の高いリサ・ランキンというカリフォルニア・ベイエリアを中心に活躍している医師がいます。

彼女が自身のプレゼンテーションの中で話していた話しです。

ペンシルベニア州のロゼットというイタリアからの移民で構成された街には、心臓病というのがほぼ皆無で、ほとんどの住人が寿命で死亡している。

そこにアメリカの心臓外科医を中心とした研究者たちが訪れ、その理由を調査した。

その理由はおそらく、オリーブオイルとか何か食事に関連しているであろうと考えていたが、その島の住民たちは、パスタをほうばり、酒をごくごく飲み、油濃いものを日常茶飯事平らげて、おまけにタバコもスパスパふかしている。

研究者たちは食事ではないと判断し、では「遺伝子、DNA」に何かあるのだろ うと考え、調べてみた。すると遺伝子にも、アメリカ人とほぼ変わらない、心臓病や糖尿病を示すマーカーが歴然として見つかる。

では、なんでこの街の人たちはこんなにも健康なのか?

結果として研究者たちの導いた答えは、「この島には『孤独を感じること』がないから」というものだったそうです。

島の人たちは、常に人と語らい、笑い、助け合い、食事を共にする。研究者たちがそこに見たものは、アメリカにはないこの淋しさや孤独感の希薄なコミュニティーの存在でした。

孤独は人間の中で大きなストレスとなる、Fight or Flight 反応(闘争か逃走か という動物の究極な状態)を起こすことにつながるとしています。

例えば、アメリカに1300万いるとされるシングルマザーたちは、常に一人で子供の放課後のアレンジメント、学校の送り向かえ、食事のしたく、宿題の手伝いなどすべてを一人で切り盛りし、その上自分の仕事をフルタイムでしなければなりません。

このような状態は大変ストレスフルであり、常にFight or Flight 反応を起こす状態となります。

生理学的には、ストレッサーが下垂体や副腎に伝達され、主にアドレナリンとコルチゾールという2つのホルモンを過剰に分泌させ、心拍数上昇、血圧上昇、呼吸数上昇、気管拡張などを起こします。

これが継続することによってことに心臓に大きなストレスを与え、心不全や心筋梗塞などを起こす原因に繋がります。もちろんそれだけでなく、糖尿病、高血圧、不眠症、がん、鬱、伝染病疾患、などの確率も「孤独感」のある人の確率が上がるという統計もあります。

毎日オーガニックな食べ物を食べて、ベジタブルジュースを飲んで、パーソナルトレーナーをつけて健康を目指していても、常に孤独や淋しさを感じていたり、感情や、夫婦・友人関係、仕事での環境、家での生活などがストレスフルであれば、それが様々な不調を生み、体は「病気」という症状を呈します。

最近僕が目にする日本人の若者たちのあり方の多くに彼(彼女)らの孤独を見ます。ことに、コロナ禍で人との接触の機会を多く絶たれ、また、家族が亡くなったり、虐待を受けたり、仕事を失って再就職もままならずそれまでの人生からの逸脱を余儀なくされた人々も多いのではないでしょうか。

そのような人たちは、日本の風潮からして自分から声を上げて助けを求めるということが非常に難しいのではないかと察します。孤独を感じるというのは、特に珍しいことでも、恥ずかしいことでもありません。あなたが一人を感じるなら、是非とも考えられる方法で、ヘルプを求めてください。

日本人の約4割が孤独を感じているといった統計もあり、そのような若者たちの心身の健康を懸念せずにはいられません。

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