卵をとことんまで知る その1【卵のコレステロールは僕らを殺しているのか】

日本人は卵好き

(リンク先資料は英語)

日本人は「たまご大好き」。国民一人あたりの消費量は年間337個(2018年度実績、出展IEC)で世界のトップ3に入る。玉子焼き、目玉焼き、親子丼、玉子豆腐などのたまご料理だけでなく、パン・ケーキ、マヨネーズ、ハム・ソーセージ、かまぼこ・ちくわなど各種加工品の原料としても使用されている。

PART1: 卵のコレステロールはぼくらを殺しているか。

卵のコレステロールは実際高く、平均的な卵には、約186mgのコレステロールが含まれ、そのほとんど全ては黄身に含まれている。しかしながら、血中コレステロールレベルを上げるとされることは飽和脂肪酸が比較的低いことから2015-2020 Dietary Guidelines for Americansでは、安全な食べ物として紹介されている。

高度の飽和脂肪酸が含まれることから、卵が喫煙と同様動脈硬化を起こす原因であるという考えは、間違いであるというデータが、Harvard School of Public Health とNational Institutes of Healthの両方の研究から提出されている。

最近のメタ分析でも、卵の摂取が直接には動脈硬化などの心臓疾患には関連性がないという結果が出ている。また、2016年、1000人の男性を対象にフィンランドで行われた研究でも、遺伝子的にコレステロールの影響を受けやすい人であっても、卵やコレステロール摂取が直接冠状動脈系の疾患を増長させることとは関係がないという結論を出している。

コレステロールの再定義

これまでの研究では、常に僕らの健康、とくに心臓、動脈疾患に関して悪玉とされ続けていたコレステロールだが、最近ではコレステロールが僕らの生理機能にとって必要不可欠であり、良いコレステロールと、悪いコレステロールという考え方自体が古い考え方となりつつある。以下、コレステロールについての最新の研究や、新進系医師たちの新たな見解を要点をかいつまんでみる。

コレステロールは平均的な大人には1,000から2,000mgのコレステロールが1日に生成され、体の機能に必要だということだ。およそ30%以上の細胞皮質はコレステロールからできている。脳細胞のほとんどもコレステロールにより組織されているほか、胆汁液の生産にもコレステロールが一役担っている。私の尊敬するナチュラルパスの医師も、コレステロールの低下はうつ病など脳神経系の疾患に影響する、と言っていた。

人間の生理機能における必要性から、コレステロールの約70%が自身の肝臓で生成される。1個のたまごに含まれるコレステロールが200mgといっても、数値だけ見ればそれが決して高すぎる数値ではないのである。コレステロールが本質的にぼくらが正常に機能するための必要要素であることをまずは理解するべきである。

コレステロール値の本当の意味

そして、次に理解しなくてはならないのは、コレステロールの質。一般的に病院で血中コレステロール値を検査すると、LDLコレステロール、HDLコレステロール、そして中性脂肪 (Triglyceride)、とトータル・コレステロールと大きく分けて数値が表示されている。

病院の医師たちは『LDLコレステロール』、『HDLコレステロール』をいかにも『コレステロール』の総体であるかのように思わせるが、まずは、LDL、HDL自体『コレステロール』だけを示していない。また、そのトータル値やLDL (悪玉コレステロール)の値だけを見て患者の動脈系疾患のリスクの高低について単純に言及するが、最近言われているのは、ひとつの基準値を全ての人に当てはめるのは間違いであると言うことだ。

LDLは、Low-Density Lipoprotein、HDLは、High-Density Lipoproteinののアクロニムである。リポ・タンパク質の値であり、コレステロール自体を示すものではない。かなり砕いて言うが、LDLはコレステロールを血管の末梢まで輸送する役目を持ち、HDLはその輸送されたコレステロールを回収し、肝臓に戻す役目を持っている。なので、LDLのみが高い場合、コレステロールが血管中に取り残されそこに凝固するため血栓を塞いでしまう可能性が高くなる。また、コレステロールを血管に運ぶ理由は炎症なので、炎症を起こしている人は同時に血栓を起こしやすい可能性があるという。なので、LDLとHDLに関してはその数値にも増して、バランスがより重要となる。

また、最近耳にした独立系医師の話では、食肉用動物の餌が、コーンなどの穀物に移行し、それによって食肉に含まれるビタミンK2の値がほぼ皆無になってしまった結果として、骨粗鬆症などの防止のために多量摂取したカルシウムがビタミンK2不足を理由に体内に吸収されず血管壁に溜まる、そこにやってきたコレステロールもそのカルシウムと共に蓄積され、動脈血栓を作りやすくしているという報告もある。

ぼくは「コレステロールが高い」のか?

以下は、私自身のコレステロール検査結果。英語だが理解していただけるだろう。

私がこの結果をもとにUCSFの医師に言われたことは、「コレステロールが上限値なので、食べ物に気をつける」ということだけだ。とくに何を食べろとか食べるなとかも一切助言はない。中性脂肪とトータル・コレステロールの比率などに関しても全く説明はなかった。ぼくは基本的に病院の医師の食事に関する助言はあまり当てにしないので、それ以上は何も尋ねなかった。

少し分析してみよう。前述したようにLDLとHDLの比率が、単純なコレステロール値より動脈系疾患リスクの目安になりやすい。それは通常トータル・コレステロール÷HDL値で求められる。

私のデータでは、トータル・コレステロール:217÷HDL:67=3.23 である。この値の推奨値は、ある信用性の高い独立系医師によれば6以下であり、理想的な値は3.5以下、なので私の3.2という数値は理想的である。また、もう一つ目安になる比率と言われているのは、Triglycerides(中性脂肪)対 HDLであり、前出の比率と同様の算出をする。ぼくの場合この値は1.2くらいであり、通常2以下なら問題なしとされる。比率で見るとかなり理想的な値なのである。加えてぼくは喫煙もせず、酒も嗜む程度で、運動は1日最低1時間、そして、菜食中心でオーガニック食を心がけているので、さらに疾患リスクは低いと考えて良い。

しかしながら、LDLが高いというのは事実と受け止めるべきで多少コレステロールを控えた方がいいと思うが、自身ではそれほど気にしなくてよいという結論に至り実はほとんど気にしていない。スティックバターを丸かじりするという習慣を控えているくらいだ。(笑

さらに、LDLは「その粒子の大きさが動脈系疾患のリスクを大きく左右する」ということが言われている。(比重の)小さいものを「超悪玉コレステロール」と呼び、大きいものは単に「悪玉コレステロール」と呼ぶので、LDL値が高い人は、医者に超コレステロール値検査を加えて行うことでより正確な心臓リスクを知ることができる。

また、コレステロール値はその人の他の健康リスクや生活習慣により大きくその意味が変わってくる。例えば、すでに糖尿病の人、喫煙者、アルコール摂取量などによりその人のコレステロール値が示す冠状動脈疾患リスクも変化する。

ただ単に、総コレステロール値やLDL の高低だけで一個人の健康リスクなどを判断することはできないのである。

次回は、鶏卵の実際の飼育状況、その選び方などに焦点を当ててみる。

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