卵をとことんまで知る その2 【ぼくらを欺く卵のラベル】

たまごの栄養を垣間見る

代表的なビタミン栄養素

Vitamins / %DV: / 2 eggs

A 550 IU / 12.5%

D 42 IU / 10%

E 1.2 mg / 6%

B12 1.5 mcg / 26%

FDAのDaily Value 

たまごに含まれる他の微量ミネラルなど:

  • セレニウム:抗酸化作用に優れ、免疫効果を高める人間の必須ミネラルである。
  • モリブデン:体内の硫黄レベルを調整し、毒素を排出する必須微量元素で、多くの消化酵素に含有される。
  • ヨウ素:甲状腺ホルモンを合成するために必要な人間にとっての必須元素であり、海藻に多く含まれるため日本人は過剰摂取しやすく、アメリカ人の90%は不足していると言われている。
  • リン:生物の必須元素であり、骨を健康に保ち、強化したりするほか、エネルギーを管理したり保管したりするのに欠かせない元素。遺伝子(DNA, RNA)を生成したりもする。

卵は栄養素に富んだスーパーフードと言える。だが、その栄養価と危険度は親鶏の生育環境に大きく左右される。

ラベルがたまごの良し悪しを語る

サルモネラを原因とする食中毒は日本では年間約100件程度で患者数1,500~3,500人程度。 原因食品が特定されない事例も多くあるが、サルモネラ食中毒については、卵かけご 飯やかつ丼、親子丼など鶏卵や卵製品を使用した食品を原因とした発生が顕著になっている。

農林水産省は、平成 19 年度に、338 採卵鶏農場(食用卵を生産している農場)の協力を得、400 鶏群(鶏舎)のサルモネラ(全ての血清型を対象)の保有状況を調査した。その結果、無窓鶏舎のサルモネラ保有率は約5割、開放鶏舎では約1割であることが判明した。このうち、サルモネラ食中毒の原因として一番多い血清型の サルモネラ・エンテリティディス(SE)の保有率については、無窓鶏舎では 6.9% (14 鶏舎中1鶏舎程度)、開放鶏舎では 1.4%(71 鶏舎中1鶏舎程度)であった。

知っておきたい養鶏方法の違いとたまごの品質

日本では、「バタリー・ケージ」と「平飼い」の2種類しか一般には認知されていない。アメリカ同様90%以上の日本の市販卵はバタリー・ケージ飼育されたもの。では、それぞれの養鶏方法とはどんなものか?

バタリー・ケージ飼い

鶏一匹が、平均しておよそB5用紙サイズの大きさにあてがわれ、いく段にも積み重なったケージの中で一生を送りながら卵を生産する。この方法により卵生産マシーンとなっている鶏はおよそ2年で死んでしまうか、鶏肉となるために屠殺される。

窓もなく、太陽にも当たらず、大量の鶏が鶏舎のなかに飼われるため衛生状況が悪いため、鳥は抗生物質を打たれ、殺虫剤、またサルモネラ菌を予防するための消毒剤が散布される。

鶏は肛門から卵を産むため、腸に繁殖しやすいサルモネラ菌は卵の殻に付着しやすい。生卵を食べることを前提に出荷される日本の卵は、合成洗剤や、塩素系消毒剤で消毒される。

また、ケージ飼いの鳥の餌はGMOコーン、また、卵を多く早く産ませるために人工的なビタミンやミネラルを添加する。ちなみに、日本の豚はコンビニ弁当の残飯を多く餌として与えているというのを読んだことがある。基本的に、鳥は食虫動物なので、ミミズや小さな昆虫、雑草などを食べる動物で、基本的に穀物は本来の食べ物ではない。

日本では、生卵を食べることを視野に入れて生産されるため、衛生面での品質管理は徹底している。殺虫剤、殺菌剤が頻繁に散布され、サルモネラ菌の付着しやすい殻は、塩素消毒、洗剤消毒などが施されて市場で販売される。よってこれらの塩素をはじめとする化学薬品などがたまごに含まれる可能性は否定できない。

平飼い・放し飼い

鶏卵公正取引協議会の以下に示した定義と比較して見ると、「平飼い」は、アメリカでいう「Free Range」にほぼ相当する養鶏飼育。そして「放し飼い」は、ぼく個人も食べている「Pasture-Raise」に相当するようだ。「パスチャー」は「牧草」を指し、そのまま「牧草で育った」ということを意味する。アメリカでは(Certified Humain Certificationを持つ場合)108sq feet (約10平方メートル)が一匹の鶏に与えられる広さの牧草地で大地に存在する自然の昆虫やミミズ、そして草を食べ、一日中外で自由に歩き回ることができる状態の飼育。

日本の場合、鶏卵公正取引協議会の定めるところによれば、

(1)「平飼い」、「放飼い」又はこれらに類する用語については、次の飼育条件を満たした場合に 限り、表示することができる。

「平飼い」又はこれに類する用語: 鶏舎内又は屋外において、鶏が床面又は地面を自由に運動できるようにして飼育した場合。

「放飼い」又はこれに類する用語: 平飼いのうち、日中の過半を屋外において飼育した場合。なお、施行規則で定める基準により飼育した場合は、「放飼い(特定飼育 卵)」と表示することができる。

放飼いと表示できるのは、(特定用語の使用基準) 第4条 規約第5条第1号イに規定する基準は、 120 日齢以降は、1㎡当たり5羽以下で飼育するものとする。

ここでぼく自身も間違った理解をしていたのが、平飼い=放し飼い(パスチャー・レイズ)という認識だ。しかし、「平飼い」は、「鶏舎内または屋外において、鶏が床面又は地面を自由に運動できる」ということで、屋外へのアクセスを約束するパスチャー・レイズ=放し飼いとは、基本的に異なるということだ。

しかし、日本では平飼い、放し飼いたまごの値段は非常に高価で、上を見れば10個で2,000円、3,000円という金の卵のような値段がついている。かなり普段の食卓に上がるにはハードルが高すぎる。これは、アメリカのパスチャー・レイズ=放し飼いが高くても12個入りで$9ドルくらいで売られているのと比較してもべらぼうな値段である。

有機たまご

日本は有機畜産JASの認定が、唯一正当な認証システムになっている。

有機畜産JASの原則は

【原則】 野外の飼育場に自由に出入りさせること

【原則】故意に傷つけないこと

「故意に傷つけない」というのはあまりに抽象的すぎて理解しづらい。鶏舎の中の一羽あたりの面積=0.15㎡以上 放牧地の一話あたりの面積=0.15㎡以上 面積はそんなに広くはないが、最低数値が設定されていることは絶対に必要なことであろう。

また、デビーク(クチバシの切断)については禁止されていない。餌はJAS認証を得たもの。(大豆、コーンが主流)

アメリカのたまごラベル:

アメリカにも多くの日本人の方々が住んでいるので、アメリカのラベルの意味も紹介しておく。

USDA オーガニック

オーガニックとして認定されるには、有機食物だけを与えられている鶏から生まれた卵でなくてはなない。例えば、化学肥料、畜産副産物(食肉の残留物)、化学肥料、農薬、化学添加物、GMOなど、一切与えられていないもの。また、ホルモンや他の化学薬剤も使用禁止。また、Molting(羽毛の抜け替わり)も多量生産の鶏は餌を削減するなどして、人工的に操作し、鶏の卵の生産期間を延長させたりするが、オーガニックの場合はこれも自然発生のモルティングのみに限る。日本の「有機」の規則に比較するとかなり詳細にわたって規制が敷かれている。

ケージ・フリー

ケージがない、仕切りから解放されているというだけで、あとはまったくケージ飼いとほぼ変わりがない。「フリー」という言葉にかなり騙されやすいラベルと言える。EU諸国では、非人道的という理由からこの養鶏方法はバン(禁止)されている。アメリカでは、よくウェブサイトなどでマクドナルド、スターバックス、ウォールマートといった多くのアメリカ大企業が、プレッジを掲げ、2020年あたりにケージ飼いからケージフリーに移行すると言っているが、こんなお触れに誤魔化されてはいけない。アメリカは世界の先進国にくらべ、養鶏方法に関する考え方がかなり遅れている。CAGE-FREEはさほどケージ飼いと変わらず、抗生物質、消毒剤、殺菌剤、屋内のほぼ光なし、GMOコーンと大豆の餌、などの飼育環境である。

フリーレンジ

鶏一匹につき60センチ四方以下があてがわれる。多くは日光浴もせず、とうもろこしや大豆をベースにした餌を与えられる。イメージとして「フリーレンジ」の言葉から、大半の時間を外で過ごしているイメージがあるが実際はそうでもない。かなりぼくらを欺いているラベルと言える。

国や州によって「フリーレンジ」の定義はまちまちであるが、基本的に「フリーレンジ」は外への出入りを許されている鳥を指す。だが、USDAのフリーレンジの定義は、「毎日不特定時間の外への出入りを許可するもの」であり、実際にはほとんどの時間を外で過ごすとも取れるし、また全くその逆でほとんど室内で過ごし、毎日5分間外に出るといった鳥の卵も「フリーレンジ」と表示できるので、実際に消費者にとっては目安にはならない。

オメガ3エンリッチド・ベジタリアンフェッド

唯一の違いは、オメガ3の豊富な餌(主にフラックスシード)を与えられている。もともと自然な卵はオメガ3が豊富に含まれているがケージ飼いの鶏の卵の栄養が貧素なために消費者の注意を向けるオメガ3を売り物にしているが、実際強化されているとはいえ量的には少なく、実際に大豆を含める低品質な餌を与えられている可能性も高い。

また、ベジタリアンフェッドは、動物性タンパクを与えられていない鶏を指すが、虫やミミズなどは含まれている可能性がある。ベジタリアンフェッドだからといって、平飼いであるとは限らず、養鶏環境については実は何も示していない。

放し飼いたまごの栄養は、ケージ飼育たまごの3倍から6倍

ぼくが鶏の飼育方法にこだわる理由は、その倫理的な側面もあるが、一番の理由はその品質が大きく異なるということだ。誰でも想像できるように、病んだ母親から健康な子供は生まれない。鶏も同じことが言える。身動きの取れない暗い檻の中で一生を過ごし、餌も抗生物質入りのコーンや大豆を与えられ、嘴をカットされ、消毒剤を散布されるよな環境の中にいる鬱な鶏は絶対に栄養価の高い卵が産めないだろうし、おそらくたまごにはGMOで変質した遺伝子も含まれるだろうし、抗生物質も残留している可能性も否めないからだ。

実際そのことは、Mother Earth News magazineによって2007年に行われたテストで14の異なる養鶏場からの卵の栄養が分析され証明されている。

グラフをみてわかるように、ビタミンE、βカロチン、フォリック・アッシド、などどれも2倍から6倍ほど多く含まれるが、コレステロールは、放し飼いの鶏から生まれたたまごの方が低い。

生卵をアメリカで食す?

基本的には、食べない方がよい。理由はあなたが映画のロッキーのように強靭ではないからだ(笑。アメリカでは、生で食べることを視野に入れずに卵が生産されているからである。これは、オーガニックでもフリーレンジでも同じことで、とくにスーパーの安価なケージ飼い卵は日本のそれとは比較にならないくらい非衛生的なので、絶対に生で食べない方が良い。個人的には、ファーマーズマーケットなどで、農家の人に直接話をして信用できる農家のオーガニック・パスチャーレイズを仕入れ、新鮮なうちにそれでも殻をよく洗ってから生で食べる。また、サルモネラは約70度の温度で2、3分加熱すればほとんど死滅するので、卵を殻ごと煮沸してから、食することにしている。多少白身は白濁するが、ほとんど生と変わらずに食べることができる。

結論:

卵は、あらゆる栄養に富んだ、スーパーフードである。1日1個または、2個でかなり凝縮した栄養が摂取することができる。

コレステロールは一般的に悪者イメージが染み付いているが、その分子自体は、僕らの体が機能するには必要不可欠なものであり、僕らの体自体がその70%以上を生成する。たまごは一般的にコレステロール値が高いとされ、高コレステロールと診断されると必ず差し控えるように忠告されるが、たまごに含まれるコレステロールは、比較的良いコレステロルであり、そのたまごの品質によって量も質もことなるということを理解する。

卵の質や栄養は、それを産む雌鶏の生育環境で、大きく左右されるばかりか、モノによっては体に害となる物質を含んでいる場合もある。極力、雌鶏の自然な生育環境を尊重する養鶏方法で生まれた卵を選ぶこと。

私がこの調査後に思う、ベスト→ワーストを示すと以下のようになる。

日本:👑「放し飼い」ー 🥈「平飼い」「通常の卵」(有機であることで、それぞれの1ランク上になる)

アメリカ:👑「Pasture-Raised」ー 🥈「Free-Range」「Cage-Free」ー「Cage」(Organic であれば、それぞれの1ランク上)

色は信号機と同じ意味。青はGo for it で、黄色はCaution、赤はNo Eat。

卵のカラの色の違い

一般的に茶色が品質の高い卵の色だと思っている人が多いが、実際茶色と白の卵の品質には違いがない。からの色の違いは白い耳たぶをもつ鶏から白い卵が産まれ、茶色い耳たぶを持つ鶏から茶色い卵が生まれる。これは鳥の遺伝子に基づくもので品質や栄養には何の変わりもない。

茶色い卵の方が高価であるのは、茶色い卵が通常大きめのサイズの鶏から生産され、その飼育や餌にかかる経費が高いからである。

緑や青の卵は、オーシナニンという色素をもつ鶏の種類が関係しており、この色素が卵管を通るときに付着しからの色が青や緑になる

以上前回の「卵のコレステロールは僕らを殺しているか」と合わせて、これだけ卵を知っておけばきちんと本当に体に良いものを選ぶことができる。どれを選ぶかはあなた次第。

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