
プラシーボという言葉を聞いたことがあるでしょう。

治験(薬品の臨床試験)、その薬に薬効があるかを判断する際、化学的に薬効成分のある薬と科学的に何も含まれていない偽薬(例えば砂糖のみの錠剤)を被験者に与えます。この「偽薬」をプラシーボと言います。
この何も科学的な薬効を含まないプラシーボが、心理的な影響などによってその被験者の病にポジティブな効果を見せることが多くあり、これを「プラシーボ効果」と言います。
このプラシーボ効果に対して近年様々な研究が行われていますが、結果から言うと依然それがどのようなメカニズムで病状を良くさせるのかはっきりと判明していないのが現実です。

しかしながら、信用する医師に「この薬を服めばあなたの病気は治ります」とプラシーボを渡されて服用したら、その病が実際に良好になる、もしくは治ってしまうと言う事実は、子供の時に転んでお母さんに「痛いの痛いの飛んでいけ〜」と痛いところをさすってもらって何故か本当に痛みを感じなくなことを考えれば、プラシーボ効果というのが、心理的に起こる何かが脳に働きかけ痛みや病を治してしまう話もなんとなく理解できる気がします。
プラシーボがその人の肉体に良かれ悪しかれ顕著な影響を与えるということは、人間の心と身体がいかに切り離せない関係を持っているかを示しています。これは、日本でも昔から言われている、「病は気から」を裏付けるばかりか、あなたの意志の力がいかにあなたの身体に影響を与えるかを証明しているといえないでしょうか?

このことを深く追求し研究したアメリカの医師で、ジョー・ディスペンザ医師(Dr. Joe Dispensa)と言う人がいます。
今日は彼の著作の冒頭に書かれている、ショッキングな話を紹介します。
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食道がんと診断された男性がいました。彼はすべての検査と処置を受けましたが、がんが肝臓に転移していることがわかりました。医師は彼に、余命わずか数カ月で、何もできることはないと伝えました。
そこで彼はこう言いました。『ただ、クリスマスをが過ぎるまで生き延びたい。最後のホリデーシーズンを家族と一緒に過ごしたいんだ』と。彼はクリスマスを家族と祝いその願いを果たしましたが、クリスマスの1週間後の元日の朝、亡くなりました。その後、彼の解剖を行った際、肝臓がんの検査結果が誤診であったことが判明したのです。彼には肝臓がんがまったく見つかりませんでした。少なくとも彼を死に至らせるほどの病因となるような癌は見つからなかったのです。
つまり、彼は『思考』によって死んだのだ、ということなのです。
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医師からがんを宣告され、余命を告げられる。ここで、その男の死は彼の頭の中でセットされてしまったのです。そして、その思考がこの男性を死に至らしめた。
これは、ポジティブな結果を見せるプラシーボ効果とは逆に、プラシーボがネガティブな効果を見せるノーシーボと呼ばれる極端な例ですが、思考がこのように人を死に至らしめることができるなら、思考は逆に死に至らしめる病から生還させることができるほど大きな力を持っているのではないでしょうか。
病は気から、癒しも気から。僕らの心と思考は、僕らを生かすこともできれば殺すこともできるのです。
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