日本人に知って欲しいこと その4

今回日本で気付いたことは色々あるけれど、最後まで一番気になったところを少しだけお話しさせていただきます。

僕は、アメリカでの日頃の習慣で水をよく飲む。なので、二重構造で18時間飲み物の温度を保つ水筒をどこに行くにも持っていく。夏の暑い時は、その中に氷水を入れておけば、普通に歩いているだけなら一日保つ。

日本は暑かった。アメリカから、水筒を持参していたので、それを持って歩いたが、一日中外にいたので、どうしても水が必要となった。自販機か、コンビニということになるけれど、そうするとペットボトルになってしまう。水がなく、お茶とポカリスエットなどしかない自販機も多々あった。そしてこれらの自販機のペットボトル入りの水は小さい。なので、炎天下にいるときは、1日5本くらいペットボトル飲料を消費した。2週間の滞在で計50本以上のペットボトルのゴミを出したことになる。

こういうことを言うと、日本のペットボトルの再生率は80%以上ですよ。と、言い出す人もいるかもしれない。回収率90%、再生率80%というのは確かに素晴らしい数値だが、そこには実は盲点があって、このうち実際またボトルに再生されるのは、約25%、そして、50%以上は、サステイナブルに再生されにくいトレイやシート、洋服などになっていると言うことを知っているだろうか。

また、80%以上が再生されると言っても、一体ペットボトルの消費総量がどのくらいだか知っていますか?それはなんと年間57万1千トン。と言ってもピンと来ないだろうが、シロナガス鯨にすれば、2850頭分の重さ。(体長30メートルのクジラが2800頭並んでるってのは、想像できないが、ま、ハンパないってこと 笑)ペットボトルの容器の重量は約30グラムなので、約188億4千万本が年間回収され、そのうちの約36億7千万本が再生されずにゴミとなってどこかに行ってしまっているという計算になる。

これは、年間量なので、五年十年と長期的に考えるとなると、再生されないペットボトルだけ考えても相当な量となり、多大な環境汚染の原因となる。

もう一つ言うと、リサイクルにはやはり資源を相当使う。リサイクルすれば、地球に全て良しと考えている人は、これを機に少し考えてみてほしい。ゴミを出せば、それが再生されようがされまいが、地球には負担がかかると言うことだ。一番良いのは、ゴミを出さずに自分で再生することだろう。

僕のシンプルな提案としては、まずはマイ水筒を持ち歩く。水道水が気になるなら、浄水器を買えば良い。お茶が飲みたいなら、うちで淹れて氷と一緒に水筒に入れれば良いし、水筒の水がなくなって水を買っても、水筒に入れておけば長い間保冷してくれる。陳腐な言い草だが、小さいことでも一人一人ができることをするのは大切だ。マイ水筒を持ち歩くことによって、水という万人の資源で金儲けをする、悪徳企業にも加担せずに済む

スポーツ試合観戦の後、ゴミをこまめに観客席から拾っていく日本人の美しい姿は世界でも有名になったが、国内ではペットボトルが山ほど生産され、日本人がペットボトルから水やお茶を飲み、山ほどのゴミを出していることを知ったら、世界は落胆すること請け合いだろう。

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