太極拳を選ぶ理由

恒久的な、僕にとっては大変聞き飽きた、無意味な質問として「あんなゆっくりの動作で太極拳は戦えるの?自己防衛できるの?」と言うのがあります。太極拳は実戦でも使用できます。ですが、戦いで使えることだけが僕にとっては大切なことではありません。もしも、戦闘で相手を打ちのめすことが第一の目的であったなら、他の武術を学んでいたでしょう。
僕もそうでしたが、武術に興味を持つのは最初、どこからか沸き起こる闘争心を肉体的に表現する技というものだったと思います。それは、いつも闘争を意識したものでした。若い頃の多くは、競争、闘争、相手と自分の相反に意識が向かれていないでしょうか。時間が経つにつれ、そういった外に向かう「闘争心」から来る興味が次第に変化して内面に向かい、エネルギー(氣)とか、精神性、健康とかそういうものに意識が向いてくるのが成長でもあり進化の過程の一つだと思います。

その時に、武術、エネルギー(氣)、精神向上の三つをバランスよく兼ね備えていたのが、太極拳だったのです。太極拳は、武術としてのみならず、気功、内功、医療なども包含し、道教の哲学も汲んでいるため、最終的には精神的な悟りをも導けるものです。
太極拳が武術、エネルギー論、健康論、精神性を共存させ一種独特なものとして完成されている理由は、おそらく太極拳の創始者たちの多くが同様の内的変化を経験してきたからではないかと僕の先生は仮定しています。
これは、データとしてそういう記録があるというものではなく、先生自身も経験推測の域でしかありませんが、僕には大きく頷けるところです。
僕の尊敬する幾人かのマスターたちも言っていますが、平和となった現代の世の中、現実的に「ナイフを突き刺されて殺される」ということは非常に稀です。僕らが日常命を削って戦っているのは、人間関係のストレスであったり、仕事の問題であったりでしょう。本当に命をかけて戦わなければならなくなるのは、そんな日常から生まれる、ガン、糖尿病、心臓病、アルツハイマーといった病であることがほとんどなのではないでしょうか。
そして、まさに「病は気から」という言葉の通り、僕らは僕らの外面のみならず、健康を含め、内面をも鍛える術を身につけそれらに対抗できる忍耐力を養う必要があると思います。
僕にとっては、それが太極拳なのです。
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