さて、3000年以上の歴史の中で伝統的に継続されている生活習慣や、医療的常識が現在の科学によって否定されていることはいくらでも見つけ出すことができます。これらの多くは研究費用の出所が利害関係を持つ企業であったり、裏に何らかの金利目的が隠れていることも多々ありますので、注意が必要です。
今日紹介する消化に関するお話もその一つと言えるでしょう。
それは、「食べ合わせ」(Trophology)です。
食べ合わせといってもよく言う、うなぎと梅干しとか、蕎麦と茄子とかそういうレベルのものではありません。この理論が本当だとするなら、現代人にとっては致命的と言えます。
このトロフォロジーの考え方は、タオイズム、アーユルベーダでは一般的に受け入れられており、アーユルベーダを考えれば5000年以上の歴史に遡ることができます。
一つ例を挙げるなら「澱粉とタンパク質」です。
牛丼、玉掛けご飯、ハンバーグにご飯、ハンバーガーにポテトなどなど、ことにお米を主食にする日本では、この食べ合わせが主流となっています。
澱粉とタンパク質が消化機能を劣化させる理由を簡単に見てみましょう。それは、Ph(酸・アルカリバランス、タオイズムでは陰と陽)を崩し、消化を阻害するためタンパク質や、澱粉が体内にたまり腐ったり発酵してしまいます。さらにはその体内侵入を腸壁から守るために腸がジェル状の粘液で腸壁を覆う働きをし、これを繰り返すことによってこの粘液が層となり腸の働きが衰え、消化不良、便秘、下痢、ガス、(過度のおなら)胸焼け、胃痛などさまざまな胃腸の症状を引き起こす原因になります。
(もう少し突っ込んだ理屈を興味のある方のために下に示しておきます)
僕がこの理論に始めて触れたのは、Daniel P. Raid氏の著した「The Tao of Health, Sex, and Longevity」と言う本でしたが、調べてみると、Herbert McGolfin Shelton博士を筆頭に多くの生理学者、医師、ことに代替医療医師たちに認められています。
他にも人間の消化機能に障害を起こす代表的な食べ合わせは、
- 澱粉と酸 (例:オレンジジュースと、トースト)
- 澱粉と砂糖 (例:トーストにジャム)
- タンパク質と砂糖 (例:肉食の後のデザート)
などとなっており、アメリカの食習慣に大きく影響を受けた日本でも当たり前の食べ合わせです。
では、日本人がお米を主食とし、卵や肉などタンパク質との食べ合わせを頻繁にしているにも関わらず世界でもトップクラスの長寿国である理由は何だよ?と疑問も湧いてきますよね。
お米を食べた日本人の形跡は縄文時代の遺跡などからも発見されていますが、実は日本人が現代のように肉を習慣的に食べるようになったのは、ついつい最近のことです。ちなみに牛丼の歴史は100年くらいしかありません。日本人の主要な副食は伝統的に野菜です。
このトリフォロジーを最初に知った時、僕はこれが現代人の消化機能の劣化原因の一つだろうと直感しました。
皆さんは、どう思いますか?どうぞご自由にコメントをお残しください。
もう少し突っ込んで、「タンパク質とでんぷんの食べ合わせ」を見てみます。でんぷんを食べると、噛む段階でプリアチンを排出し消化が始まり、胃に入るとすぐにアルカリ性溶液が消化を促進します。しかし、タンパク質を同時に摂取すると、ペプシン(酸性の環境を必要とする)が必要となり、唾液がプチアリンの分泌を減らすか停止させ、胃が酸の分泌を増やし始めます。その結果得られるこのプリアチンと、ペプシンが混ざった状態は、もはや消化にほとんど役立たない中性の状態になってしまいます。その間、消化されていないものは発酵/腐敗し始めます。このプロセスが始まると、大腸は腐敗した粒子から自身を保護するために粘液酵素を分泌し始めます。この状態が一定時間続くと、粘液の内壁が厚くなり、保護されるはずの食物の一部がジェル状になることがあり、その結果、便秘などの問題が起こり始めるのです。最終的には憩室炎やその他の腸の機能障害にもつながります。
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